2100: A World with, or without, Sea Turtles? | STUDY POINT~高校授業編~

2100: A World with, or without, Sea Turtles?

FLEXⅡ

2100: A World with, or without, Sea Turtles?




西暦2100年:ウミガメがいる世界だろうか,いない世界だろうか?

Part 1
孵化するのは陸上だが,その後は海の中で生活するものは何か。最初はピンポン玉サイズ
の卵だが,成長すると全長2メートルほどになり得るものは何か。それはウミガメである!
ウミガメは私たちに興味深い事実をたくさん提供してくれる。
ウミガメは,砂浜を這っている姿はぎこちなく見えるが,海の中で力強くなるようにデザ
インされた体と甲羅を持っている。この甲羅は,ウミガメが深海まで潜ることができるよう
に,流線形になっている。ウミガメには大きな前足(ひれ足)があり,これは前方への素早
い移動に役に立っている。また,ウミガメは水中においても視力がよい。ウミガメは,まる
でシュノーケルを身に付けているかのうように,水面に出て鼻で呼吸をする。それでウミガ
メは,ほぼ完全に水中で生活することができるのである。また,ウミガメは,酸素補給のた
めに再び水面に上がって来るまで,海底で眠ることすらできる。さらに,ウミガメには,飲
んだ海水から塩分を取り除くための塩類腺もある。ウミガメはまるで涙を流して泣いている
かのように見えることがあるが,この時も塩分がこの涙とともに体外に排出されている。



Part 2
ウミガメは営巣地よりも暖かい海域へ移動することで知られており,その移動先でより快
適に過ごす。ウミガメの中には,大洋を横断し別の大陸まで移動するものさえいる。しかし,
私たちはそのことをどのようにして知ることができるのか。その答えは人工衛星である。科
学者は,人工衛星でウミガメを追跡しているので,その移動に関する情報を私たちに提供す
ることができる。
ある調査によれば,ウミガメは巣作りの時期になると,たいてい熱帯地方や亜熱帯地方に
移動するということである。ウミガメは,自分たちが生まれた営巣地に戻って来るが,この
ようなウミガメの帰郷がなぜ可能なのかは,はっきりと分かっていない。しかし,ウミガメ
はこのような移動をする際には,潮の流れや地球の磁場を使っている,ということが示唆さ
れている。
ウミガメは海で一度つがいになると,陸地に上がるのは雌の方である。驚くべきことに,
この雌ガメの仕事は,単に卵を産み落とすだけというわけではない。まず始めに,雌ガメは,
産んだ卵が波にさらわれないように,高潮線よりも高い位置に穴を掘る。それから,一度に
100~200個ほどの卵を産んだ後,その穴を砂でしっかりと覆い,海に帰って行く。そ
の後,この卵が孵化期を迎えると,その中からウミガメの赤ちゃんが出てき始める。



Part 3
ウミガメの赤ちゃんは卵から出てきた時,自分たちが向かうべき場所をどのようにして知
るのか。この問題の答えは月光である。ウミガメは,海面に反射する月光により,自分たち
が進むべき方向を把握するのである。しかし,このウミガメの赤ちゃんのうち,生き残るの
は,わずか0.1パーセント(1000匹のうち1匹)程度である。日本の屋久島のような
場所では,月光よりも明るい車のライトで多くのカメの赤ちゃんが混乱し,海ではなく道路
の方へ向かってしまうということも起こっている。幸いなことに,人々はこのカメの赤ちゃ
んたちを見守っており,正しい方向へ導くための照明装置を開発している人もいる。
しかし,ウミガメが直面している問題は車のことだけではない。ウミガメには,陸上,海
中問わず,天敵もいる。アライグマやカニは砂浜に産み落とされた卵を簡単に奪うことがで
きる。また,大人のカメも赤ちゃんのカメも,海中でさえ,サメやシャチのような獰猛な動
物と遭遇することもあり得る。さらに,カメの赤ちゃんとって不利になる環境の変化も問題
になり得る。例えば,海水温の急激な低下が死因になることもある。
人間が引き起こしているカメにとっての問題は,特に深刻である。例えば,エビのトロー
ル漁により,ウミガメの数は激減している。また,ウミガメの甲羅を目的とした密漁が未だ
に行われている国もある。



Part 4
おそらくあなたはここまでに次のような推測をしているだろう。すなわち,この素晴らし
い動物(ウミガメ)の数が減少しているのではないか,と。しかし,このウミガメを助ける
ためにあなたができることはあるか。ウミガメの赤ちゃんを放し海に帰すのを手伝うために,
多くの人がアメリカへ渡っている。もちろん,必ずしも,ウミガメを助けるためにはるばる
アメリカに行く必要があるというわけではない。
ウミガメを助ける別の方法としては,砂浜でのごみ拾いというものがある。ウミガメは食
べ物と間違えて風船等のごみ片を食べることがよくあるが,これが死因にもなり得る。つま
り,砂浜の清掃の手伝いをするだけで,ウミガメの保護を手伝っていることになるのである。
あなたが(ここで)学んだ内容を友人や家族に伝えてくれれば,(その結果)より多くの人
がこのウミガメの問題に気付く。
もし,あなたがのんびりと構えて未来を待つだけという態度なら,ウミガメの一部の種が,
あるいは,もしかしたら全ての種が,およそ1世紀後には絶滅してしまうだろう。しかし,
私たちはウミガメが絶滅することを防ぐことができる。そう,私たちはそれができるのであ
る。砂浜を1つずつ,カメを1匹ずつ,私たちが1人ずつ,という具合いに(小規模ながら
も確実にそのことに取り組むことによって)。あなたはウミガメを救うのを手伝う人になる
必要がある。さあ,共に行動しよう。


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